最近は活動していませんが、バンド「月の海」が20周年だそうです。「だそうです」というのは20周年を完全に忘れていたからそう書いたのですが、久しぶりにメンバーにメールしてみたら皆それぞれの住む土地でしっかりやっている様でなんだかホッとしました。

 

久しぶりにメールをしたのはある提案をするためでした。それは「ロシアの侵攻によりウクライナで困っている人たちのために、月の海でも音源を販売して収益を寄付してみませんか？」というものでした。

 

月の海にはレコーディングしたけど販売していない音源が少しありました。例えば「あしおと」という曲です。（歌詞）「遠くの国のあの歌を　口ずさんでた　懐かしく」「目を凝らしても見えない　耳をすましても聞こえない　君はほらそこに　すぐそこにいるのに触れることすら叶わない」。ウクライナの今を歌った曲ではないけれど、僕の心の中で自分の無力感と混じり合い、涙がこぼれました。それからいい歌だなと思いました。

 

こういった寄付活動はお金持ちや有名人がやった方が金額や情報発信力の面で効果的でしょう。僕や月の海では発信力がないので全然お金にはならないと思います。でも色々考えてみた結果、自分ができる事をやればいいのだと納得しました。もしかしたら月の海と聞いて「あぁそんなバンドもいたな」と懐かしく思い出し、音源を購入してくれる人が少しくらいいるかもしれない。ウクライナの現状についてニュースで知ってはいるけれど、何かアクションを起こすにはハードルを感じている人も含まれるかもしれない。発信力のない僕でもやれる事なら、同じように発信力はなくとも「自分も何かやってみよう」と思う人が出てくるかもしれない。まぁ期待せずにできる事をやってみようという感じです。たぶん自分の中の無力感への抵抗も含まれているだろうな。

 

自分でも個人的に寄付したかったので1.000UAH（フリブニャ：ウクライナの通貨）を「Voices of Children」という団体に寄付しました。「Voices of Children」は2015年にウクライナ東部で活動を開始した慈善団体です。戦禍の子供たちの心理的、社会的なサポートを中心に必需品、宿泊施設、難民の緊急支援等を行なっています。

 

「Voices of Children」

https://voices.org.ua/

https://www.facebook.com/vocukraine/?ref=page_internal

 

どこに寄付をするのか約10団体を比較検討したのですが、日本の信頼できそうな複数のメディアが「Voices of Children」を候補に挙げていた事で知り、活動内容とウクライナの団体に直接送金できるのでここにしました。

 

音源「あしおと」の販売は「bandcamp」サイトで行っています。120円です。販売サイトの手数料を引いた収益全額を「Voices of Children」に寄付します。購入せずともリンクから音源はフルで聞けるので聞くだけの方もどうぞ。購入はクレジットカードかPayPalからとなります。スマホは「bandcamp」アプリをダウンロードするとストリーミングで聞く事ができ、PCから購入やログインをすればデータのダウンロードもできるそうです。

 

https://tsukinoumi.bandcamp.com/releases

​

 

ロシアのウクライナ侵攻に反対すると共に、あらゆる戦争に反対します。いずれかの国家の側に立つのではなく被害を受ける一般市民の側に立って、自分にできるサポートをしたいです。微力ではあるが無力ではないと思っています。

 

戦争や歴史、政治といった大きなものと対峙する時、自分ひとりという人間は本当にちっぽけでどうしようもない。だから自分の中の無力感に抵抗しながら、他者との繋がりを求めているのだと思う。そういう心理すら国家による戦争や政治に利用される事もありうるだろうけど、自分の頭と体で考えて生きて行きたいと思います。