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「ポエムの国のコンピューター」

※俳句の会「蒙昧の会」(もうまいのかい)のHPに投稿したもので、

途中には蒙昧の会の方々の俳句も出てきます。

思うところあってふと翻訳。

翻訳サイトでね。

1.蒙昧の会

2.(日→英)Association of ignorance

で、それを逆に翻訳。

3.(英→日)無知の協会

ほうほう、確かにそういうことだろうね。

この流れで他の言葉も翻訳してみました。

1.道草

2.Loitering on the way

3.途中に、ぶらつきます。

うん、ぶらつきますね。

1.ご機嫌いかが?

2.Mood squid?

3.ムードイカ?

え、ムードイカ?

あぁ 烏賊ね。うまいよね。

1.屁をこく

2.The wind is deep.

3.風は深いです。

詩的だなぁ コンピューター。

「ポエムの国のコンピュター」

さてさて、そんな無駄な翻訳サイト遊びをやってみました。

ちなみに私は機械類が好きです。

やれと命令されたことをやめろと命令されるか壊れるまでやり続けるような、

そこから生まれる妙な純粋さと滑稽さ。

そして意外と人間らしいところ。

機械にも機嫌がありますよね。

コンピューターの心臓部は脳みたいなものだろうし、

回路に電気が流れる様は血管を血液が流れるようではありませんか。

心臓部が脳ってややこしい言い回しだな。

ただ自動ドアだけはあまり好きではありません。

自動ドアの事故ってありますよね。

別に自動である必要もそんなに感じませんし、

そんなものに挟まれて怪我したり、死んでしまったりする事故が起こりうるわけですよね。

動かない自動ドアを手でこじあけるのは一苦労だし、

壊れて、人がいないのに開閉を繰り返す自動ドアは滑稽を通りこして物悲しいです。

いつぞやは冬で寒かったし。

話が逸れたついでにもっと逸れると、

機械に電気が必要なように人間にも電気が必要ですよね。

脳内で伝達物質が発生して、神経に電気信号が流れることで、

人間は思考したり、行動する時に筋肉に命令を出すわけですよね。

この人間の体中に走る電気の流れってやつが、

本人の意識しないところで肉体や精神にいろんな影響を与えているのではないでしょうか。

例えばマッサージチェア(機械)と人間のマッサージは違いますよね。

何が違うって、動きが違うといってしまえばそれまでですが、

与える電気的影響が違うんじゃないでしょうか。

誰か人に触ってもらうことで、アース(余計な電気を地中に逃がす仕組み)みたいな効果が発生したりね。

その逆で電気的刺激を与えたり。

そういう意味で言うとマッサージの上手い下手は技術の他に、

マッサージ師の電気的体質や患者との電気的相性が影響するんじゃないでしょうか。

僕の身の回りに、よくCDプレーヤーを壊す人が2人いました。(ちなみにどちらも女性でした)

2人とも「私が再生ボタンを押すとよくプレーヤーが壊れるから触りたくない」と言っていました。

この場合、指先から他の人より多量の電気が流れていて、

電気ショックでプレーヤーが壊れるのではないでしょうか。

もしかしたらマッサージ師に向いているのかもしれないですね。

そういや、植物にも微量な電気が流れているらしいですね。

機械も植物も人間も電気信号を必要とするという意味で、大差ないとまでは言いませんが、

違いこそあれ、人間と機械や植物と機械を対極に置いたりする考え方ってのも無理があるんじゃないでしょうかね。

アニミズムっていうんですか、物に精霊が宿るっていうなら機械に精霊が宿ってもいいんじゃないだろうか。

ま、それもちょっと強引ですかね。

うわ!余談が長すぎた。

翻訳サイトの話に戻りますね。

冒頭に挙げた翻訳遊びを友人に話したところ、

もうすでに翻訳サイトを使った誤翻訳を楽しむ本が出ているということ。

『背面ストライプの浦島太郎 日本昔話Remix2』

マガジンハウス (2008/11/20)

日本人なら誰もが知っている昔話を、

翻訳サイトによる誤翻訳をし、元の昔話とのギャップを楽しむという本らしいです。

自分が面白いと感じたものは得てして先に誰かが形にしているものですね。

浦島太郎=裏縞TARO=「背面ストライプのタロ芋」ってことなんだろうけど、

「背面ストライプのタロ芋」やばいなぁ。

だいぶラリッてるねー。

背面ストライプのタロ芋が笑う… 不気味に… あぁ やばいなぁ。

というわけで、今回は翻訳サイトを使って俳句を翻訳してみました。

1 夏草や兵どもが夢の跡 (芭蕉)

2 The grass and the soldier in summer are dream marks.

3 草と夏の軍人は夢の跡です。

うん。なるほどね。なんだか平たい印象。

1 静けさや岩に染み入る蝉の声 (芭蕉)

2 Voice of cicada that soaks to silence and rock

3 沈黙と岩石に浸すせみの声

うん。なるほどね。

上記二句は切れ字の「や」が理解できなくて"And"に訳されちゃう訳ね。

1 痩せ蛙負けるな一茶ここにあり

※(痩せ蛙負けてはいけない一茶はここにいる)

2 Issa who doesn't defeat the thin frog is here.

3 薄いカエルを破らないイッサがここにいます。

うん。破らないであげてね。薄いんだから。

というか、破るわけないじゃない。

むしろ自己を投影して奮い立たせる気持ちがあるわけなんでしょうから。

「痩せ蛙」と上五で切れているのは理解できていないような感じですね。

※二段目の()内の表記は、

「負けるな」と「ここにあり」を翻訳サイトが認識できなかったため、

「負けるな」→「負けてはいけない」、「ここにあり」→「ここにいる」と私が変えて入力しました。

勝手に変えて真面目な人に怒られそうだね。

で、「痩せ蛙~」の英語訳といえばこれ。

Hey ! Frog. Never give up ! Issa is here(人間が訳したもの).

ね! カエル。 決してあきらめないでください! イッサはここにいます。(それを翻訳サイトが訳したもの)

かなり意味が伝わりますね。「ね!」がいいなぁ。ナイスコンピュター。

でも「痩せ」が足りないんじゃないか。

蛙ならなんでもいいってわけじゃないんだから。

ここからは蒙昧の会の方々の句を翻訳サイトにかけてみました。

では2010年度の特選句から。

1 警官にふるさとを訊く薄暑かな (おにかます)

※(警官にふるさとを尋ねる薄い暑さかな)

2 Is it thin summer when the birthplace is asked to the policeman?

3 出生地を警察官に尋ねるのは、薄い熱ですか?

やっぱり切れ字「かな」が理解できず、疑問形の「かな?」に訳しちゃうんだね。

※翻訳サイトが認識できなかったため、

「訊く」→「尋ねる」、「薄暑」→「薄い暑さ」と私が変えて入力しました。

おにかますさん、勝手に変えてごめんなさい。

1 白菜のまるまる腹を割く音や (歌葉)

2 Sound to which Chinese cabbage wholly spares belly

3 白菜が完全に腹を割く音

なんだかちょっとコワイね。

「まるまる」→「完全に」と訳したのは外してないなぁ。

1 とけてahひっついてoh熱帯夜 (苦椒醤)

※(とけてahくっついてoh熱帯夜)

2 Oh tropical ..ah.. night ..sticking... disregard it

3 おお、熱帯です。ああ、夜。刺さること… それを無視してください。

ななな、何を無視すればいいの?

これは詩的だなぁ。悩ましい感じが出てるじゃないか。

しかも偶然か、三文節になっている。

くっ「つく」→「突く」→「sticking」→「刺さること」と訳したんだろうね。

「とけて」が「無視してください。」になってる。なぜ…。

※翻訳サイトが認識できなかったため、

「ひっついて」→「くっついて」と私が変えて入力しました。

苦椒醤さん、ごめんなさい。

謝りついでに、試しに半角空けを入れて翻訳してみました。

1 とけて ah くっついて oh 熱帯の夜

2 Night of the oh tropics ..ah.. stick disregarding it

3 夜、おお、熱帯。ああ、 それを無視する棒

あれ、変わった。でもやっぱり詩的。悩ましい。

結婚して30年目の夫婦。

熱帯夜なのにクーラーは壊れている。

妻は眠れず、クーラーが壊れているせいか、

普段ならそんなことはないのに見飽きた夫に欲情している。

汗だくの妻は悩ましい目つきで夫を横目に見る。

隣の布団で夫はぐっすりと眠っている。疲れているのだ。

「こんな熱帯夜によく眠れるわね!」と妻は心の中で悪態をつくのであった。

…というのはもちろん私の妄想で、タイトルは「無視する棒」。

「つく」→「突く」→「sticking」→「棒」になったんだろうか。

重ねて、苦椒醤さんごめんなさい。

1 褌しめて世界征服の塔 (虹鱒) ※褌=ふんどし

2 It towers about the world domination ..loincloth.. occupying.

3 それは世界征服に関してそそり立っています。腰布占領します。

宣言されてもなぁ。かなり男性的だね。

なんか棒っぽいの続くなぁ。

「塔」→「towers(動詞)」→「そそり立っています」となったんだろうね。

主語がないものを訳したから、英文に「It」が入ってしまい、

結果的に「塔(towers)」が動詞化しちゃったんだろうか。

じゃあ試しに主語を入れてみる。

1 褌しめる私は世界征服の塔 

2 I who ..loincloth.. occupies it am a tower of the world domination.

3 私、だれですか?腰布、占領、それは世界征服の塔です。

だれですか?ってだれなんだよ? 棒でしょうね。

虹鱒さん、ごめんなさい。

1 食道を走れサイダー二塁ベース (ひろし)

2 It is a soda pop it is possible to run second base base as for the gullet.

3 それは食道のために二塁ベースを走らせるのが、可能である清涼飲料です。

うわ。かなりまともに説明してくれてる。

では最後の一句。

1 細胞や素麺賛成大賛成 (ひろし)

2 Cell and large vermicelli agreement agreement

3 セルと大きいバーミセリ協定協定

協定協定って… 何か大きな陰謀が渦巻いているのだ。

なぜ「素麺」を「vermicelli」と訳しておいて、

「vermicelli」は「バーミセリ」と訳すのか。謎だ…。

で、まとめとして、この翻訳遊びから一体何が考えられるのだろう。

いかにコンピューターは俳句や文章の文脈やニュアンスを読みとれないか。

切れ字なんて全くだめでしたね。

でもまぁ、そういう要素はあるにしても、結論としてあまり面白くないだろう。

チェスや将棋でコンピューターがプロに勝つのも珍しくなく、

最近では出題者が出すクイズの文脈(音声)を理解してクイズ王に勝つコンピューターも現れたとか。

もちろん、思考の仕方は人間とは違うだろう。

いや、もしかしたら膨大なデータ(記憶)をもとにひとつの結論を出すわけだから、似ているのかもしれない。

そもそも「機械には感情がない」だとか「文脈やニュアンスを読み取れない」だとか、

それは人間が人間の言葉で測る機械のあり様だ。

それは「地球が泣いている」とかと一緒。

地球はそもそも泣かないし、守ってくれともいわない。

壊すのも人間なら守るのも人間。

人間がいなくなるのが一番地球のためになるってこともありうるのでしょうね。

人間が人間のために地球を壊したり守ったり、

人間が人間のために機械を作って「感情がない」などと言ってみたり、

なんだか面白くないなぁ と僕は思うのです。

人間の中でさえ、ある一句から受ける印象がひとりひとり違うことが多々ある。

相手の気持ちが理解できなくて苦しむことだってある。

「機械には感情がない」のではなく、正確には「人間には機械に感情があるかどうか読み取れない」であって、

その場合、「機械には人間に感情があるかどうか読み取れない」ってことがいえるんじゃないだろうか。

でも理解できなかったとしても「理解しようとすること」や「好奇心」をもつことはできるはずだ。

俳句だって人間が詠んで人間が読み、聞くものではあるけれど、

もしかしたら読み手に伝わる俳句っていうのは技術の他に、

季節の流れに対して「理解しようとすること」や「好奇心」が込められているんじゃないでしょうか。

愛なのかなぁ。

自分たちを取り巻く風景や時間の流れ、それらを人間の言葉で測ることはそもそも無理ではあるけれど、

みながそれぞれに感じているものがあって、

例え印象がばらばらだとしてもその「愛なのかなぁ」を共有することが可能だったりするんじゃないのでしょうか。

アニミズムっていうことで言えば、精霊や妖怪も人間以外のものを「理解しようとすること」や「好奇心」の表れなのかもしれませんね。

やっぱり機械にも精霊や妖怪がいてもいいんじゃないだろうか。

とりあえず翻訳サイトでは、自分にはできないような詩的表現ができるもんなぁ。

でもそれだって自分で操作して、自分で「詩的」って感じているだけかもしれないしなぁ。

だめだ。ぐるぐるしてきた。

1 コンピューターは人間の感情を理解したり、好奇心をもつことができるか?

2 The computer can able to understand man's feelings, and have curiosity?

3 男心を理解していて、好奇心を持つことができるコンピュータ缶?

そうそう、男はつらいのよ。缶なのよ。

結論として、現代のあらゆるコンピューターがポエム化したら楽しいのになぁ。

それってどういう状況か全く分からないけど、確実に仕事にならないだろうね。

いやぁ 長い。長すぎるね。

お付き合いいただきありがとうございます。

おつかれさんでございます。

最後に、改めて、重ねてみなさんの俳句を勝手に使用してしまいごめんなさい。

白楓

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